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揺らぐ心 [短編]

『本当にユーリ様の事を想っていらっしゃるなら

何故その腕に抱こうとはなさらないのですか?』

軍師であるイル・バーニの言葉がわたしの心に

小さな小波を起こさせていた。

わたしは以前より正妃ひとりを愛しぬこうと

考えていた。

しかしユーリはこの国の人間ではない。

わたしは正妃を皇妃を持たなければならぬ身。

それでも自分のものにしようと思うのは

それはわたし自身のエゴでしかないのだ。

わかっている・・・

わかっているのだ!

なのに何故こんなにも心が揺らいでいるのだ?

大きな夢のためにはこんな事は些細な事だと

思うべきなのだ。

わたし個人としての気持ちなど

関係ないのだから。

早くユーリを日本とやらに還してやらなければ

わたしの自制心が保てるうちに。

それを知ってか否かユーリはわたしとの距離を

あけようとしている。

王位とユーリこの二つを望むのは許されない事なのか?

張り詰めた心を和らげてくれるものを

求めてはいけないのか?

いくつもの疑問をめぐらせながら夜が更けていく。

夜など早く明けてしまえばよい!

そうしなければわたしはきっと自分の中の欲望に

負けてしまう・・・・。

ユーリの気持ちを考えず自分が思うままに

抱いてしまう。








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